50代が注意すべき目の病気|症状・原因・予防法を紹介
50代は、緑内障・白内障・加齢黄斑変性などの目の病気が増え始める年代です。
これらは初期症状に気づきにくいため、早期発見と予防がとても重要です。
このページでは、50代に多い目の病気の症状・原因・検査・治療法・予防策をわかりやすく解説します。
正しい知識を身につけ、将来の視力低下を防ぎましょう。
1. 50代に多い目の病気と症状
早期発見と早期治療のために、それぞれの病気の特徴を知っておきましょう。
①緑内障|気づかないうちに進行する視神経の病気

初期は自覚症状がほとんどなく、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。
【緑内障の主な症状】
- 視野の一部が欠ける
- 視界が狭くなる
- 見え方がかすむ
40歳以上の約17人に1人が発症するといわれており、50代も注意が必要です。
症状に気づいたときには進行していることも多いため、50代は特に定期検診による早期発見が大切です。
治療法について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
②白内障|視界がかすむ・くもる水晶体の病気

加齢が原因で誰にでも起こる可能性があり、進行速度には個人差があります。
【白内障の主な症状】
- 視界がかすむ・くもって見える
- 明るい場所でまぶしく感じる
- 夜間の運転で光がまぶしく感じる
- 進行すると視力が大きく低下する
治療については、「白内障の治療法」で詳しく解説しています。
③加齢黄斑変性|中心が見えにくくなる網膜の病気

欧米に多いとされていましたが、近年は日本でも患者数が増えています。
【加齢黄斑変性の主な症状】
- 中心部分がぼやけて見える
- ものが歪んで見える(直線が曲がって見えるなど)
- 視界の中心が暗くなる
- 進行すると読書や運転が難しくなる
進行を抑える治療については、「加齢黄斑変性の治療法」をご確認ください。
④飛蚊症|糸くずのようなものがフワフワ浮いて見えたりする症状

40〜50歳代から起こることが多く、60歳頃になると、約3割の人に飛蚊症があらわれるといわれます。
- 目の前に小さな黒い点がみえるようになった
- 透明のいとくずのようなものが見える
生理的飛蚊症は加齢が原因であることが多い症状で、病的飛蚊症は眼病が原因で飛蚊症を起こしているケースです。
どちらが原因なのかを見極めて治療することが重要になってきます。
2. 目の病気の原因とリスク要因
大きく分けると「加齢による変化」「生活習慣の影響」「遺伝の影響」の3つです。
ここでは、それぞれの特徴を解説します。
加齢による変化

【加齢による主な変化】
- 水晶体が硬くなり、ピント調節が難しくなる(→老眼)
- 網膜や視神経が衰え、緑内障や加齢黄斑変性のリスクが高まる
生活習慣の影響
このような習慣は、目の病気を招く原因になりやすいとされています。
»表はスクロールできます。
| 生活習慣 | 目への影響 |
|---|---|
| 偏った食事 | 栄養不足により目の機能が低下 |
| 喫煙 | 血流が悪化し、目の組織にダメージを与える |
| 長時間のパソコン・スマホ利用 | 目の疲れやドライアイを引き起こす |
遺伝の影響
ただし、遺伝だけで病気が決まるわけではなく、生活習慣や環境も大きく関わります。
そのため、家族歴がある方は特に定期的な眼科検診を受け、早期発見に努めましょう。
3. 目の病気の検査と診断方法
実は、50代で多い目の病気は初期に気づきにくいのが特徴です。
定期的な眼科検診と適切な検査によって、早期発見・早期治療につなげることができます。
ここでは、検診の重要性と主な検査内容を紹介します。
定期的な眼科検診が大切な理由
定期的に検診を受けることで、緑内障・白内障・加齢黄斑変性などを早期に発見し、進行を抑えることが可能です。
特に50代以降や家族に目の病気がある方は注意が必要です。
眼科で受ける主な検査内容
眼科検診では、いくつかの検査を組み合わせて目の状態を詳しく調べます。
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| 検査名 | 内容・目的 |
|---|---|
| 視力検査 | ・視力表を使い、両眼・片眼の視力を測定 ・かすみや視力低下の確認に有効 |
| 眼圧検査 | ・眼圧を測定し、緑内障の早期発見に役立つ ・眼圧が高いとリスク増加 |
| 細隙灯顕微鏡検査 | ・顕微鏡で目の表面や内部を観察 ・白内障や角膜の異常を調べる |
| 眼底検査 | ・瞳孔を広げて網膜や視神経を観察 ・緑内障・加齢黄斑変性の診断に重要 |
| 視野検査 | ・視野の広さや欠けを測定 ・緑内障の進行度を評価 |
気になる症状がある場合はもちろん、自覚症状がなくても定期的に受けておくことが安心につながります。
4. 50代に多い目の病気と治療法
病気ごとに治療法は異なりますが、点眼薬・眼内レンズ・抗VEGF薬(硝子体内注射)・レーザー治療・硝子体手術などによって進行を抑えたり、視力の改善を目指すことが可能です。
ここでは、代表的な病気ごとの治療法をご紹介します。
緑内障の治療法|点眼薬と手術

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| 点眼治療 (薬物療法) |
眼圧を下げる薬を使い、視神経への負担を軽減します。 種類が複数あり、症状や体質に合わせて選択されます。 |
|---|---|
| 手術 | 薬で効果が不十分な場合や病気が進行している場合に行われます。 代表的なのは線維柱帯切除術や線維柱帯切開術で、眼圧を下げて進行を抑えます。 |
白内障の治療法|手術と眼内レンズ

唯一の根本的な治療法は手術で、多くの場合は日帰りで行うことができます。
手術では、水晶体を摘出し、代わりに人工の眼内レンズを挿入します。
レンズにはいくつかの種類があり、ライフスタイルや希望に合わせて選ぶことが可能です。
- 単焦点レンズ:遠くか近く、どちらかにピントを合わせるタイプ
- 多焦点レンズ:遠近両方に対応でき、メガネの使用を減らせるタイプ
加齢黄斑変性の治療法|抗VEGF薬やレーザー治療
»表はスクロールできます。
| 薬物療法 (抗VEGF薬の注射) |
新しい異常な血管(血管新生)を抑制し、黄斑部のむくみや出血を軽減します。 視力の改善が期待できる標準的な治療です。 |
|---|---|
| レーザー治療 | 異常な血管をレーザーで焼き、病気の進行を抑えます。 |
| 硝子体手術 | 網膜の下に溜まった血液や滲出液を取り除く手術で、症状が進行した場合に行われます。 |
飛蚊症の治療法|「生理的飛蚊症」と「病的飛蚊症」
●生理的飛蚊症の場合の治療法
生理的飛蚊症と診断された場合は、症状は比較的軽度が多く、治療の必要はないことがほとんどです。近年では、レーザーを用いて症状を緩和させるビトレオライシス(自費)や硝子体手術という方法もありますが、あまり心配せず、医師と経過を一緒にみていきましょう。
●病的飛蚊症の場合の治療法
眼病が原因で飛蚊症を起こしている場合はその眼病を特定し、その眼病に適した治療を行います。
原因となる眼病は様々ですが、以下の3つが比較的多くみられます。
✓網膜剥離・網膜裂孔
眼球の内側を覆う網膜が剥離することで視力低下が起こるのが、網膜剥離です。そして、網膜が裂け、穴が開いてしまう状態を網膜裂孔といいます。網膜剥離の寸前の状態です。
→詳しくはこちらへ
✓硝子体出血
眼球内を満たす、透明のゼリー状の組織「硝子体」の内部に血が混ざる病気が硝子体出血です。飛蚊症の症状のほか、目のかすみ、急な視力の低下などが起こることもあります。
→詳しくはこちらへ
✓ぶどう膜炎
目の中のぶどう膜に炎症が起こる病気がぶどう膜炎です。飛蚊症のように小さな黒い点が見えたり、痒み、充血、かすみや視力の低下などが症状としてあらわれます。
→詳しくはこちらへ
どの病気も早期発見・早期治療がとても重要であり、定期的な眼科検診が欠かせません。
5. 50代の目の健康を守るための予防法
ここでは、食生活・生活習慣・紫外線対策など、目の健康を守るための方法を紹介します。
① 食生活で目の健康を守る

特にこの成分は、50代からの目を守るために重要です。
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| 栄養素 | 主な食事 | はたらき |
|---|---|---|
| ルテイン ゼアキサンチン |
・ほうれん草 ・ケールなど緑黄色野菜 |
黄斑部を守り、加齢黄斑変性の予防 |
| ビタミンA | ・レバー ・卵黄 ・にんじん |
網膜の働きを正常に保つ、夜盲症の予防 |
| ビタミンC | ・柑橘類 ・いちご ・ブロッコリー |
抗酸化作用で白内障リスクを低減 |
| ビタミンE | ・アーモンド ・アボカド ・植物油 |
細胞を酸化から守り、老化予防 |
| アスタキサンチン | ・サケ(鮭) ・エビ |
眼精疲労対策、抗酸化作用 |
サプリメントもありますが、まずは普段の食事からが基本です。
②健康的な生活習慣で病気を予防する
特にこのようなポイントを意識しましょう。
- 適度な運動:ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は全身の血行を促進し、目の組織への酸素供給を改善します。
- 十分な睡眠:毎日7〜8時間の睡眠は、目の疲労回復や目の病気のリスク軽減につながります。
- 禁煙:喫煙は目の血管を収縮させ、血流を悪化させます。白内障や加齢黄斑変性のリスクを高めるため禁煙が推奨されます。
- 節度ある飲酒:過度な飲酒は、目の健康に悪影響を与える可能性があります。適量を守りましょう。
③紫外線から目を保護する

50代からは特に紫外線対策が重要です。
【紫外線から目を守るための方法】
- サングラスの使用:UVカット機能があるものを選びましょう。デザインよりも紫外線防止性能を優先することが大切です。
- UVカットコンタクトレンズ:コンタクトを利用している方は、紫外線防止機能付きのレンズを選ぶと効果的です。
- 帽子の着用:つばの広い帽子は直射日光を防ぎ、目への紫外線を軽減します。
- 日焼け止めの活用:顔に日焼け止めを塗ることで、目の周りの皮膚を守り、間接的に目の保護にもつながります。
6. 日常生活でできる目のケア
ここでは、目薬の使い方や体操、休息の工夫など、簡単にできるケア方法を紹介します。
①目薬で目の健康を守る

市販の目薬にはさまざまな種類があり、目的に合ったものを選ぶことが大切です。
- ドライアイ:保湿成分入りの目薬を使用
- コンタクトレンズ使用中:対応タイプの目薬を選ぶ
- 花粉症やアレルギー症状:抗アレルギー成分入りが有効
また点眼後は軽くまばたきをして、薬液を目全体に行き渡らせます。
効果を感じられない場合や症状が悪化する場合は、早めの相談が大切です。
②目の体操で視力をサポートする

簡単な目の体操を取り入れることで、血行を促進し、視力低下の予防や疲れ目の改善につながります。
【代表的な目の体操】
- 遠くと近くのものを交互に見る:ピント調節機能を鍛える
- 目を大きく開けたり強く閉じたりする:目の周りの筋肉を刺激
- 眼球を上下左右に動かす:目の血流を改善
- 眼球を円を描くように回す:筋肉の柔軟性を高める
毎日の習慣に取り入れることが大切です。
③目を休ませて負担を減らす
意識的に目を休ませる工夫を取り入れることで、視力低下や眼精疲労を予防できます。
【目を休ませるための工夫】
- 20-20-20ルール:20分ごとに20秒間、20フィート(約6m)先を見る
- まばたきを意識する:乾燥を防ぎ、目の潤いを保つ
- 蒸しタオルやホットアイマスク:血行を促進し、疲れ目を和らげる
- 休憩時間に遠くを見る:ピント調整機能をリセットしてリフレッシュ
7.眼科専門医からのアドバイス

ここでは、眼科医院長の視点から、検診・生活習慣・紫外線対策・セルフケア・受診のポイントについてアドバイスをまとめました。
ここでは、眼科医院長の視点から、検診・生活習慣・紫外線対策・セルフケア・受診のポイントについてアドバイスをまとめました。
①定期的な眼科検診の重要性

特に50歳以上や家族に目の病気のある方は、年1回以上の検診がおすすめです。
眼科では視力検査・眼圧検査・眼底検査などを行い、緑内障・白内障・加齢黄斑変性のリスクをチェックできます。
また糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)を罹患していて無治療または治療コントロール不良の方では、無自覚の網膜出血が生じやすく、初期段階では自覚症状がないことが多く、気づかないうちに病気が進行してしまうケースも少なくありません。自覚症状があった時には、かなり進行している状態です。
その為、早期発見・早期治療が非常に重要です。
症状が出る前に発見をする為に定期検診などを心掛けましょう。
②生活習慣の見直し
ルテイン・ゼアキサンチン(緑黄色野菜)、ビタミンA(レバー・卵黄)、ビタミンCやE(果物・ナッツ類)を積極的に摂りましょう。
さらに、十分な睡眠や適度な運動も効果的です。
喫煙は血流を悪化させるため、禁煙も心がけることが重要です。
③紫外線対策
外出時はUVカット機能付きのサングラスやコンタクトレンズを使用しましょう。
加えて、つばの広い帽子をかぶると、紫外線をより効果的に防げます。
④目のケア

20分ごとに20秒間、遠くを見て目を休ませる「20-20-20ルール」を実践しましょう。
ドライアイが気になる場合は、保湿成分入りの目薬を使うのも有効です。
また、まばたきを意識的に増やしたり、蒸しタオルで目元を温めたりすることで疲れ目を和らげられます。
レンジで温めるホットアイマスクの利用も推奨できます。
保温時間もホットタオルより長く、繰り返し使えることでコストパフォーマンスも良くドライアイ研究会でも奨励されています。
⑤気になる症状はすぐに眼科へ
早期発見と適切な治療が、視力を守る最大のポイントです。
8.まとめ:50代からの目の健康を守るために

緑内障・白内障・加齢黄斑変性などを早期に発見し、日常の食生活や生活習慣を見直すことで、目の健康を守ることができます。
定期的な眼科検診と予防を心がけ、快適な視界を維持しましょう。
目の健康を守るために、今すぐできること
相模原眼科では、50代に多い白内障・緑内障・加齢黄斑変性・飛蚊症を伴う網膜裂孔、網膜剥離などの早期発見と治療を行っています。
- 専門的な検査で正確に診断
- 目の病気に応じた最適な治療をご提案
- 生活習慣や予防のアドバイスもサポート
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(財)日本眼科学会 眼科専門医
相模原眼科 院長 岡野 喜一朗
