目の病気に関するお悩み
加齢黄斑変性
目次
加齢黄斑変性とは
「黄斑」とは網膜の中央部に位置し、視力の中心を司る場所です。(つまり殆どの視力をこの場所で担う)その黄斑に、加齢に伴い疾患が起こるのが加齢黄斑変性という病気であり、日本人の主な失明原因の一つとなっています。
加齢黄斑変性は2つの種類に分けられます。
1.滲出型→黄斑部に異常な新生血管の成長が起こります。この血管は普通の血管よりも脆く、壊れて出血をしやすいため、黄斑部を傷つけ破壊します。滲出型は進行が早く、視力低下が急速に進むことがあるため、非常に注意する必要があります。
2.委縮型→黄斑部がゆっくりと委縮するタイプです。視力の低下もゆっくりのため滲出型のように急激な悪化は見られません。
加齢黄斑変性の症状と原因
加齢黄斑変性は初期の場合は症状が軽度であり、また、片目から起こることが多く、両目を使っている日常生活で症状の自覚、発見が遅くなることがあります。進行してくると、以下のような症状があらわれることがあります。
- 視界の中心が暗く見える
- ものが歪んだり、直線であるものが波打って見える
- 視力が低下する。特に暗いところでものが見えにくくなる。
こうした見え方は、老眼では起こりませんが、勘違いして受診が遅れるというケースもあり、注意が必要です。
加齢黄斑変性は、特に50歳以上から発症率が上がり始め、年齢と共に発症率が上がります。加齢が大きな原因ですが、それ以外にも複数の因子が関係しています。私たちの網膜は、日ごろの生活の中で酸化ストレスが積み重なり、損傷を受けていますが、それに喫煙・高血圧・動脈硬化・好ましくない食生活・紫外線・遺伝的要素などの因子が加わると、より発症しやすくなるのです。
加齢黄斑変性の検査
- セルフチェック→片目ずつで、エクセルシートや格子状の線が歪んでいないかチェックします
- 視力検査→白内障同様、網膜に異常が起こっているため、眼鏡などで矯正しても視力がしっかりと上がることはありません。裸眼と矯正との視力を比較します。
- 眼底検査→目の奥を検査し、血管や網膜の状態を細かく確認します。さらに造影検査を行い、通常の眼底検査では見えない細かい部分の状態を確認することもあります。
- 光干渉断層計(OCT検査)→目の撮影を行い、目の組織の断面を確認します。新生血管の場所、どこにどれくらいの出血があるか、など患者様のご負担なく診断することができるため、近年よく行われる検査のひとつです。
加齢黄斑変性の治療
比較的視力低下のスピードが緩やかな委縮型については、治療は行いませんが、経過とともに滲出型に移行することがあり注意が必要です。定期的な検査で、視力の急激な低下などを見落とさぬようにしましょう。
滲出型の場合は、以下の治療方法を行うことが一般的です。
滲出型の場合は、以下の治療方法を行うことが一般的です。
- 抗VEGF療法→黄斑にダメージを与える新生血管の成長を止めるため、目の中に抗VEGF剤硝子体注射を行います。これにより、血管内皮増殖因子(VEGF)というたんぱく質の働きと共に、新生血管の成長を抑える治療です。
- レーザー光凝固術・光線力学的療法→黄斑部の異常な新生血管をレーザーで破壊し、その成長を止める方法です。
加齢黄斑変性の予防
喫煙・高血圧・好ましくない食生活など、乱れた生活習慣が加齢黄斑変性を加速させます。喫煙される方は禁煙を強くおすすめしますし、日ごろから紫外線予防にも努めましょう。
また、ルテインなどの目にたまりやすい抗酸化物質を積極的に摂取し、目の酸化ストレスを抑えていきましょう。有効なサプリメントや生活習慣についてもアドバイスさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
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